父の事故死、母の出奔で別々に育てられた姉弟が、十年ぶりに再会した。<br />以来、十七歳の弟は、二十歳の姉を週末ごとに訪ねる。<br />夜、姉の布団で幼子のように身を寄せながら、歳月の重さと互いの愛の深さにおののく二人。<br />その年、北国の町では怪しげな商事会社が暗躍し、孤独な二人に危険な人間関係がからみつく。<br />