深夜、十津川警部の電話が鳴った。<br />妻を殺し最近出所した男からだった。<br />死んだはずの妻を見たという。<br />同日、電話の男が殺され、現場に次の殺人を予告する血文字〈文殊に聞け!〉が残されていた。<br />十津川は丹後に急ぐが、予告通り男が射殺され、凶器の指紋から、ライフルのオリンピック選手が浮上する。<br />だが、彼は昨年焼身自殺していた……。<br />死者が絡む奇怪な予告殺人を描く長編ミステリー。<br />