決して陥ちぬ天下城、それは築城家の見果てぬ夢。<br />戸波次郎左は信長の夢を叶えるため、欧州に向かった。<br />安土城を造った鬼才の血を引く男はイタリアで名を上げる。<br />やがて大国イスパーニャの圧政に抗うネーデルラント人たちに請われ、彼らを守る鉄壁を手がけることに。<br />愛しい妻子。<br />異国で得た信頼。<br />だが故郷日(ひ)の本(もと)はあまりに遠く――。<br />佐々木譲が全ての力を注ぎ込んだ、大河冒険小説。<br />