講演会をひきうけたのはよかったが、つれていかれたのはテレビもない山の中の温泉旅館、しかも折からの大雨で村に一つしかない橋が流された。<br />陸の孤島で身動きできない二人の作家の前に突然起こる殺人事件。<br />殺された旅館の女主人は、昔苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)をほしいままにした領主の末裔だった。<br />事件の背後には、何世代にもわたる怨念が……。<br />推理小説嫌いも必読の「文庫封切り版ミステリー」