読んだ講釈が幕府の逆鱗に触れ、種子島に流された大坂の講釈師瑞龍。<br />島での余生に絶望した瑞龍は、流人仲間と脱島を決行する。<br />丸木舟で大海を漂流すること十五日、瑞龍ら四人が流れついた先は何と中国だった。<br />破船した漂流民と身分を偽り、四人は長崎に送り返される。<br />苦難の果て、島抜けは見事に成功したかに思えたが……。<br />表題中篇をはじめ、「欠けた椀」「梅の刺青」の三篇を収録。<br />