可憐でやさしく、それでいて嫉妬深く自己中心的な女性M・Mと、ゼンソクの持病がある作家の「私」が、外国旅行をする。<br />ラスベガスでの大喧嘩からはじまって、パリの空港で別れるまでの、一組の男女の繊細な感情の揺れ動きを吐露した表題作。<br />他に、別居した妻と入籍を迫るM・Mとの間で、自己の‘青春の復活’を凝視する「私」の緊張感を表白した『赤い歳月』を併録する。<br />