八十歳を迎えたブッダ(釈迦)は、侍者ひとりを連れて最後の旅に出る。<br />遺された日々、病み衰えたブッダの胸に、人々の面影や様々な思いが去来する。<br />自分を産んですぐ亡くなった母、養母、シャカ族の王だった父。<br />亡霊となって現れる妻。<br />出家してなお煩悩に苦しむ弟子たち、尼僧を受け入れた日のこと。<br />涅槃に至るブッダの言葉の数々が、心地よい音楽のように綴られる。<br />入魂の仏教小説。<br />