徳川の中期、将軍綱吉の時代。<br />零落した公家の娘染子は侍女として大奥に出仕する。<br />綱吉に見初められてその寵愛を受けるが、大奥に囚われるのを拒んだ染子は、重臣柳沢吉保の側室となり、綱吉の子を生す。<br />二人の男との三つ巴の関係のなかで激しい恋情に身を焦がす染子。<br />絢爛な元禄の歴史を背景に、権謀術数の渦中でも、志に燃え恋に心解き放つ女と男の、強靭な恋愛を描く長編小説。<br />