平成も二十五年が過ぎ、もはや昭和は‘歴史’になりつつある。<br />そんな今だからこそ、「昭和の子供たち」の世代論を語ろう――。<br />「昭和ひとケタ」と旧制高校、予科練帰りの戦争体験と屈折、昭和十九年生まれの疎外感、柴田翔と大江健三郎、新人類とサブカルチャーなど、世代の‘網’を精緻にたどり、「昭和の精神史」を描く長篇評論。<br />