一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。<br />不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。<br />幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。<br />かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。<br />すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。<br />珠玉のベスト短編集、第三弾。<br />