何年ぶりかで家族の住む故郷に帰ってきた青年は、昔恋したことのある美しい少女に再会する。<br />しかしその愛は実らず、その上、妹の友達への恋にも破れる。<br />彼は孤独な、しかし清らかな思い出を胸に故郷を去って行く……。<br />ふるさとを懐かしみながら放浪に心ひかれ、地道に生きようと願いながら浪漫的な憧れに駆られる青春の心を抒情性豊かに謳いあげた表題作。<br />他に、「ラテン語学校生」。<br />