わたしは、もう、イヤなんです。<br />死なせるのはもう。<br />だから、なかったことには絶対しない──。<br />原発事故による居住制限区域内で被曝した牛たちを今も飼い続けている牧場で、東京からボランティアに来た女性が見たものは──。<br />原発事故問題を真正面から見つめて真摯に描いた表題作と「猫の香箱を死守する党」の二篇を収録。<br />