秘伝の継承を目前にして親方は逝き、弟弟子には先を越され、鬱屈した日々を送る看板職人・武市のもとへ、大店(おおだな)から依頼が舞い込んだ。<br />しくじりは許されない重圧の中、天啓のように閃いた看板思案に職人の血が滾(たぎ)る。<br />実現を前に立ち塞がるいくつもの壁。<br />それでも江戸っ子の度肝を抜くこの仕事、やるのは俺だ。<br />知恵と情熱と腕一本で挑む、起死回生の大一番! 痛快無比の人情時代長編。<br />