「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。<br />中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。<br />僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだが――。<br />悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた四編。<br />著者の新たなる原点。<br />