幕末には〔人斬り半次郎〕と恐れられ、維新後はわが国最初の陸軍少将となり、最後は西郷隆盛をかついで西南戦争に散った快男児・桐野利秋を描いた表題作。<br />10年に及ぶ戦乱に何らの力も発揮出来ない将軍・足利義政の苦悩を刻んだ直木賞候補作の中編「応仁の乱」。<br />表と裏の顔を兼ね備えた人間という生き物のおかしみを捉えた「秘図」など6編。<br />直木賞受賞直前の力作を集めた短編集。<br />