五十年前に突然姿を消した恋人を探してほしい。<br />末期ガンの母・美月からそう懇願された。<br />将来を誓いあった東北大生だったという。<br />東京で恋に破れ、故郷函館でひっそり暮らしていた李恵は母の願いに応え、男の行方を捜し始める。<br />史上最大級の海難事故・洞爺丸遭難が、人びとの運命に打ち込んだ楔(くさび)とは。<br />現代と過去、母娘の恋が交錯する。<br />『海猫』『余命』を越えた、恋愛小説の最高峰。<br />