絹子は娘・麻沙子の説得にも応じず、ドナウの終点、黒海まで行くと言い張る。<br />絹子の若い愛人・長瀬の旅の目的に不安を感じた麻沙子とシギィは、二人に同行することにした。<br />東西3000キロ、七ヶ国にまたがるドナウの流れに沿って二組の旅は続く。<br />様々な人たちとの出逢い、そして別れ――。<br />母と娘それぞれの、年齢を超えた愛と、国籍を超えた愛を、繊細な筆致で描き上げた人生のロマン。<br />