些細な出来心だった。<br />偶然と勢いが重なって、罪は増殖していく、雪玉が転がるように──。<br />最初はとてもいい人だった。<br />気を許し、好きになった頃から、おもむろにヤツは本性を現しはじめた──。<br />普通の人が犯罪に手を染めてしまう瞬間。<br />哀しくて、やりきれなくて、そして甘美でエキサイティング。<br />弁護士の解説を各編に付す新しい形式の犯罪小説集。<br />12の傑作ノワールが心を震わせる。<br />