酒蔵へ出稼ぎに来た青年は、昔ここで働いていた祖父が女性を案内中、発酵タンクに落ち、共に事故死したことを知る。<br />そして彼もまた恋人を連れて酒蔵を案内すると……「氷雨心中」。<br />能面、線香、染物、提灯など、静かに自分の技を磨き続ける職人たち。<br />だが、孤独な世界ゆえに、周囲の人々の愛憎も肥大してゆく。<br />怨念や殺意を巧みに織り込み、美しくも哀しい人間模様を描く6つの物語。<br />