ビルマの戦線で英軍の捕虜になった日本軍の兵隊たちにもやがて帰る日がきた。<br />が、ただひとり帰らぬ兵士があった。<br />なぜか彼は、ただ無言のうちに思い出の竪琴をとりあげ、戦友たちがが合唱している‘はにゅうの宿’の伴奏をはげしくかき鳴らすのであった。<br />戦場を流れる兵隊たちの歌声に、国境を越えた人類愛への願いを込めた本書は、戦後の荒廃した人々の心の糧となった。<br />