私が主宰する小劇団の女優でもある妻は、女ボクサーの役づくりでジムに通ううち、ボクシングにとり憑かれた。<br />さらにジムの会長までが、奥さんは稀なる逸材、是非ともプロになどと言い出して……。<br />時にユーモラスに、時にほろ苦く描き出す、その戦いの日々。<br />喜怒哀楽の人生、夫婦と家族の絆をしみじみ味わい直す中篇小説。<br />