追求の精神の権化ファウストは、行為の人として‘大きな世界’での遍歴に入る。<br />享楽と頽廃の宮廷から冥府に下った彼は美の象徴ヘレネーを得るが、美はたちまち消滅してしまう。<br />種々の体験を経た後、ついに彼は、たゆまぬ努力と熱意によって、人間の真の生き方への解答を見いだし、メフィストーフェレスの手をのがれて、天上高く昇る。<br />文豪ゲーテが、その思想を傾けつくした大作の完結編。<br />