抜群の感受性で時代の寵児となり、真摯に人生の理想を追った人フィツジェラルド。<br />「人生は崩壊の過程である」となぜ彼は書くことになるのか。<br />ニューヨークの上流家庭に生まれた青年アンスンを憧れと揶揄をもって描いた「金持の御曹子」、大恐慌後、パリに静かな悔恨と不屈の魂で佇むチャーリーに熱い思いを託した「バビロン再訪」等、彼自身と当時のアメリカを彷彿とさせて魅力的な6編。<br />