彼の人生は、定年からが本番だった。<br />三菱製紙高砂工場では、ナンバー3の部長にまでなり、会社員としても一応の出世をした永田耕衣。<br />しかし、俳人である永田にとって会社勤めは「つまらん仕事」でしかない。<br />55歳で定年を迎えた永田は、人生の熱意を俳句や書にたっぷり注いで行く。<br />異端の俳人の人生を97歳の大往生まで辿りながら、晩年をいかにして生きるかを描いた人物評伝の傑作。<br />