万亀は本を読むのが好きなだけの平凡な女の子。<br />しかし突然の父の死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。<br />進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜いた万亀。<br />著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代を描いた力作長編小説。<br />