放蕩を重ねても、帳尻の合った遊び方をするのが大阪の‘ぼんち’。<br />古い暖簾を誇る足袋問屋の一人息子喜久治は「ぼんぼんになったらあかん、ぼんちになりや。<br />男に騙されても女に騙されてはあかん」という死際の父の言葉を金科玉条として生きようと決意する。<br />喜久治の人生修業を中心に、彼を巡る五人の女達、船場商家の厳しい家族制度、特殊な風習を執拗なまでの情熱をこめて描く長編。<br />