夫に不満のある若い妻・園子は、技芸学校で出会った光子と禁断の関係に落ちる。<br />しかし奔放で妖艶な光子は、一方で異性の愛人・綿貫との逢瀬を続ける。<br />光子への狂おしいまでの情欲と独占欲に苦しむ園子は、死を思いつめるが――。<br />おたがいを虜にしあった二人の女が織りなす、淫靡で濃密な愛憎と悲劇的な結末を、生々しい告白体で綴り、恋愛小説家谷崎の名を不動のものとした傑作。<br />