初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。<br />29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。<br />5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。<br />雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。<br />だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。<br />石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。<br />