難波海での睨み合いが終わる時、夜陰に浮かび上がったわずか五十艘の船団。<br />能島村上の姫、景(きょう)の初陣である。<br />ここに木津川合戦の幕が切って落とされた! 煌めく白刃、上がる血飛沫。<br />炸裂する村上海賊の秘術、焙烙玉。<br />眞鍋家の船はたちまち炎に包まれる。<br />門徒、海賊衆、泉州侍、そして景の運命は――。<br />乱世を思うさまに生きる者たちの合戦描写が、読者の圧倒的な支持を得た完結編。<br />