都会を捨てた一家が静かな高原で営むペンション〈モーツァルト荘〉。<br />ラジカセのロックで踊り狂い、奇妙な忘れものを残していく若夫婦、駆け落ちカップルを囲む不思議な晩餐会、月夜に前庭で舞う裸婦、そしてクリスマス・イブに化けて出るのは狐?四季折々、訪れる老若男女が起こしていく事件ともいえない波紋の数々―。<br />彼らが奏でる人生の協奏曲を円熟の筆で伝える連作小説集。<br />