海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が出る惨事に。<br />マスコミの批判、遺族対応、海難審判……若き乗組員・花巻朔太郎二尉は苛酷な試練に直面する。<br />真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第一号となった旧帝国海軍少尉を父に持つ花巻。<br />時代に翻弄され、抗う父子百年の物語が幕を開ける。<br />自衛隊とは、平和とは、戦争とは。<br />構想三十年、国民作家が遺した最後の傑作長篇小説。<br />