ゴールド・ラッシュ時代、セント・バーナードとシェパードの血をうけた飼犬バックは、ある日、邸から盗み出され、アラスカ氷原へと連れてゆかれた。<br />そこには、橇犬(そりいぬ)としての苛酷な日々が待っていた。<br />きびしい自然と、人間の容赦ないむちの響きに、バックの野性はめざめてゆく。<br />数年後、広い峡谷を駆けてゆく狼の一群のなかに、毛並みのふさふさとしたたくましいバックの姿が見られた――。<br />