昭和38年に直木賞を受賞した著者は同年末から週刊新潮で連載を始めた。<br />「男性自身」という奇妙な題名のコラムは、会社員兼作家である自身の哀歓、家族・友人のエピソード、行きつけの店での出来事などが綴られた身辺雑記だった。<br />それは独断と偏見が醸す力強さと、淋しさ・優しさが滲み出た独特の文体で、読者の心を掴んだ。<br />40代に書かれた作品を中心に、大ファンの重松氏が50編を選ぶ。<br />