母の肉は子の肉、子の骨は母の骨なり……。<br />いのちの哀しさ尊さに突き当りながらも、虚無と喧噪のなかで人間の業(ごう)から逃(のが)れられない男たち、女たち。<br />だが、そういう彼らも、いつしかオラシオンの美しさ危うさに魅せられて一体化し、自らの愛と祈り、ついには運命そのものを賭けていった。<br />やがて迎えるダービー決戦――。<br />圧倒的な感動を呼ぶサラブレッド・ロマン。<br />吉川英治文学賞受賞。<br />