貧しさゆえ熊本の廓に売られた海女の娘イチ。<br />廓の学校〈女紅場(じょこうば)〉で読み書きを学び、娼妓として鍛錬を積むうち、女たちの悲哀を目の当たりにする。<br />妊娠する者、逃亡する者、刃傷沙汰で命を落とす者や親のさらなる借金のため転売される者もいた。<br />しかし、明治の改革の風を受け、ついに彼女たちはストライキを決意する――過酷な運命を逞しく生きぬく遊女を描いた、読売文学賞受賞作。<br />