生れた街、KOOCHI市の紀行を、幼い頃の記憶の断片と重ね合せながら幻想的に綴った表題作。<br />‘亜依子’から‘麻依子’へ、‘麻依子’から‘ミーコ’へと変貌する多重人格の女性がひき起す不可解な行動の渦を描く『亜依子たち』。<br />一組の男女の会話を通して、作家とおぼしき女性の模糊とした像を浮びあがらせる『迷宮』。<br />ほかに『解体』『マゾヒストM氏の肖像』など、全12編を収める。<br />