かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。<br />祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。<br />彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。<br />