「ついに証明した! 俺にはやはり恋人がいた!」。<br />二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。<br />果たして、運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。<br />水玉ブリーフの男、モザイク先輩、凹(へこみ)氏、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。<br />そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる──。<br />森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。<br />