織姫星と彦星の年に一度の逢瀬。<br />道を見失うほど生い茂る萩の下露。<br />時雨によって染められる木々の紅葉。<br />三たびまで色を変えて咲く白菊。<br />景色に一面の銀世界をもたらす雪。<br />風の気配に秋を知り、初霜に冬を体感してきた日本人が、長年にわたって和歌に詠みつづけてきた秋冬の彩りを、自らの体験を懐かしみつつ味わい深く語る。<br />