恋愛とは雑用である。<br />不要でなく雑用である。<br />忙しいときに限ってオトコというものが現れる(「恋愛雑用論」)。<br />ピアノを弾く姉、テレビに出る母、未知の言語を学ぶ父。<br />何もないのは私だけ。<br />あの発作が起きるまでは(「忘れられたワルツ」)。<br />想像力の突端から、震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す、絲山文学の極北七篇。<br />