離婚して1年、夫と暮らしていたマンションから引っ越した36歳の砂羽。<br />昼は契約社員として働く砂羽は、夜毎、戦争や紛争のドキュメンタリーを見続ける。<br />凄惨な映像の中で、怯え、逃げ惑う人々。<br />何故そこにいるのが、わたしではなくて彼らなのか。<br />サラエヴォで、大阪、広島、東京で、わたしは誰かが生きた場所を生きている――。<br />生の確かさと不可思議さを描き、世界の希望に到達する傑作。<br />