「男と張り合おうとするな」醜女と呼ばれながら、物書きを志した祖母の言葉の意味は何だったのだろう。<br />心に芽生えた書きたいという衝動を和歌が追い始めたとき、仙太郎の妻になり夫を支える穏やかな未来図は、いびつに形を変えた。<br />母の呪詛、恋人の抑圧、仕事の壁。<br />それでも切実に求めているのだ、大切な何かを。<br />全てに抗いもがきながら、自分の道へ踏み出してゆく、新しい私の物語。<br />