散る花とともに四方へ飛び散る悪疫を鎮めようとする鎮花祭。<br />いまも歌い継がれるという夜須禮歌。<br />豊穣を願う田植歌であり、男女の契りの歌でもあるおおらかな古来の節回しに、鮮やかに甦る艶やかな想い。<br />その刻々の沈黙と喧騒――歳月を超えた日常の営みの、夢と現、生と死の境目に深く分け入る8篇。<br />待望の最新連作短篇集。<br />