いつかは都へ帰る人――。<br />赴任先の現地妻を自認していた遊行女婦（うかれめ）が、かりそめの恋の終わりに流した涙。<br />若き日の穂積皇子と異母妹・但馬皇女との伝説の許されざる恋。<br />そして万葉集の編纂者・大伴家持が自らうたった、ひと回り以上年上の紀女郎（きのいらつめ）への募る思い。<br />身も心も焦がす恋を描く連作短編小説集。<br />
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