長い夢を見ていた――。<br />合戦に次ぐ合戦、流血の果てに、島津家の大願「天下静謐」も絶え果てようとしていた。<br />島津宗家三男歳久は、それでも見果てぬ夢を見ていた。<br />島津・織田・明智・浅井・延暦寺……あらゆる策謀が交錯する戦国の世で、歳久は、兄の島津義弘を殺す決意を静かに固めたのだった。<br />島津家の九州統一の端緒を切り開いた「木崎原（きざきばる）の戦い」を描く、圧倒的大河浪漫第二幕。<br />
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