太平洋戦争中、南方戦線で負傷した一等兵の私は、激戦の島に建つ臨時第三野戦病院に収容された。<br />最前線に開いた空白のような日々。<br />私は、現地民から不足する食料の調達を試み、病死した戦友眞田の指の骨を形見に預かる。<br />そのうち攻勢に転じた敵軍は軍事拠点を次々奪還し、私も病院からの退避を余儀なくされる。<br />「野火」から六十余年、忘れられた戦場の狂気と哀しみを再び呼びさます衝撃作。<br />
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