夫婦で同人雑誌に参加して文学に打ちこむ速水桂策と章子。<br />書くために勤めを辞め、食べるためにまた働く夫。<br />少女小説を書いて家計を支えながら住居問題、出産、育児に時間をとられ苛立つ妻。<br />互いに相手への後ろめたさを感じながらも、自分は書きたいと思う業の深さ。<br />生活の重みにあえぎつつ、文学に執念を燃やし、遂には一人の女流作家が誕生するまでを哀歓をこめて綴る自伝的長編。<br />