勝海舟の活躍の礎を築いたのは、全編を貫いて流れる父子愛であった……。<br />勝小吉・麟太郎(海舟)父子の交渉をビルドゥングス・ロマン風にたどった作品。<br />勝小吉の江戸っ子侍そのままな行動や、彼らを取り巻く市井人の素肌が、幕末江戸の風物詩のなかにみごとに融けあっている。<br />『おとこ鷹』の第一部をなす、著者の代表的作品の一つである。<br />