鎖国体制完成を目前にした江戸初期の長崎に、通辞として赴いた上田与志。<br />役人としての確実な立身を望んでいたはずの彼は、いつしか、鎖国派と海外交易派の政争の渦に巻きこまれていく。<br />混血の美女コルネリアの愛を支えに、閉塞していく状況を憂い、時代の権力に挑戦した、その悲劇の生涯を描く。<br />‘物語’のもつ魅力を充分に取り入れ、史実をふまえて構築された壮大な歴史ロマン。<br />