「この人と一緒にいたい」京都随一の美妓・幾松が見初めたのは維新の志士・桂小五郎の颯爽たる姿だった。<br />幕末の嵐を共に乗り越え、桂は新政府の参議・木戸孝允となり、幾松はその妻・松子となるが、結婚を境に二人の愛は姿を変える。<br />国事に忙殺され次第に消耗する木戸。<br />苛立ちと愛の渇きを、若い役者との「遊び」で紛らわす松子。<br />――動乱期の女性の生きざまと、愛の軌跡を綴る。<br />
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